逃げの方法

 私たちの人格には「困ったこと、苦しいこと」があると寝たり薬を飲んで死のうとしてみたりする子がいるのだけど、この子がね、全ての逃げる方法を塞がれると新たな人格を生み出してしまうのよ。自戒の意味でリストカットしようにも止められる。まあ、目に見えてるわよね。かと言って寝ようにも起こされる。薬の大量服薬をしようにもまた止められる。さあ、ではこの子はどうやって逃げるつもりなのかしら?正解はさっき書いたとおり、「自身のことではない」と思い込むことによる解離。

 元から解離については、誰かさんが書いている考察の中にもあるのだけど、「自分の耐えがたい出来事から逃げる手段」なのよ。だからこの子がしている「解離」は正直、間違った手段ではないということになるわね。しかしよ、この子の解離には困ったことがあってね。「人格を生み出してしまうことがある」のよ。人格はこの子のせいでどんどん、増えてしまう。しかも人格には意思がありそのことでも困ったことになりかねない。怖いことに死のうとする人格が仮に生み出されてしまったら?時間に関係なく自殺しようとしたら?どうなるのかはお察しの通り。死ぬわ。なんせ人格ですもの。医学の知識だけあれば簡単に死んでしまう可能性があるのよ。それに、うちには大量の処方薬が眠っている。取り出そうとすれば簡単にとれてしまうものばかり。これでは簡単に「生きる」ことから逃げられてしまうのよ。簡単に。最も、それを阻止する人格もいるわ。でも、そうなると人格同士戦うことになり、力が強い方が勝ってしまう。それではいみないわね。阻止できまいパターンもあるということよ。

 それに人格全員が寝ているわけではないわ。起きている人格も多くいる。その中に死のうとする子がいたら?簡単ね。死ぬわ。だから回避する方法がもう「入院」ぐらいしかないのよ。でも「入院」で生きられるのは3ヶ月のみ。その期間を過ぎれば、自由の身。人格としての構成ができなければ、元の木阿弥だわ。それだけじゃない。「そこから逃げたい」という感情がもし解離したら?また人格化したら?もっと危険な状態になる可能性があるわね。人格は「生かす」ために生まれているものよ。でも、その子は「死のう」とする。逃げるために。回避するために。この現状から抜け出すために、手段は選ばない。

 それではだめなのよ。理解して。お願いだから。あなたが逃げたら今後はどうするつもりなの?お願い。もう「死のうとする」のは辞めてちょうだい。お願い。

京華

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