主人格の責務

 私は野ばら。名前は何となくでついた。

 今はかがりさんが落ちている。「死にたい」なんて言っている。

 理由は知らない。だけど辛いのは分かる。

 分かるけれど、どうしたらいいのか私は分からない。

 雨は降る。梅雨になれば当たり前のように降る。今はそんな時期なのかもしれない。何にもできないかがりさん。

 それは雨が降っているからだと思う。苦しい雨に飲み込まれそうになっているからだと思う。

 でも、雨は止む。いずれは晴れて嘘みたいに明るくなる。

 そうすればきっとかがりさんの心も救われるんじゃないかな?

 かがりさんは木みたいだ。天候という外に影響されやすい。

 いつも元気でニコニコしているけど、一度、雨が降れば笑顔が崩れる。土砂崩れになるかもしれない。そんな不安定な天気に惑わされる木。雷に打たれるかもしれない、濁流にのまれるかもしれない。そんな中を生き抜く木。

 私はそんな中を生きているかがりさんを少し尊敬している。

 今のかがりさんは感情が皆無だ。死に囚われていて、地獄に生きてるように感じているのかな。

 こんなかがりさんを支えられるのは、パートナーさんしかいなくって、そのパートナーさんも忙しくってだから、誰もかがりさんを支えられない。

 私が支えになれればいいのに、なれないのが悔しい。ほかの人格もそうだと思う。少なくとも、私はそうだから。

 この気持ちがかがりさんに届くといいな。私にはそう思うことしかできない。本当に申し訳なく思う。

 主人格って大変って話を聞く。

 私はなったことないし、話しか聞いたことが無いからどう大変なのか分からない。

 でも、エルさんや、かがりさんとかはいつもバタバタしているように感じる。

 休憩はいつしてるんだろう?緊急時とかはもっとバタバタしてるんだろうか?

 主人格は主にでているから、ストレスが溜まりやすいなんてことも聞いた。

 そしたら、かがりさんや、エルさんはストレスすごいんだろうな。

 きっと毎日、大変なんだなって抽象的な事しか私には感じられない。代わりに主人格するか?なんて聞かれたら、絶対に無理だって答えると思う。

 今の主人格かがりさんが何をしているのか分からないのに務まるとは思えない。

 私は逃げているのかもしれない。でも、思うのは早く空が晴れるといいなってこと。

野ばら

関連するかも知れない記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です