俺は丞途。名前は入院の時にきめた。過去。俺の過去は、中学1年と、中学3年にある。俺はある女の子に告白された。
好きだった
男としてみている
そんなふうに言われて、俺は付き合うことを選択した。
なんせ、俺は性に溺れていたから。
女の子。好きにできる女の子は貴重だった。
好きかどうかと問われると、わからない。でも、好きにできる存在は俺には大きかった。
その子が好きだったビジュアル系を聞くと思い出す。
その子にしたこと。俺は体を求めた。今ではわかる。気持ち悪いと。でも当時はわからなかった。ただの好奇心。
しかし、その好奇心も、高校に入ってからは薄れた。
二人とも時間が足りない。
俺は福祉を、彼女は工業を学んでいたから。
俺らは自然消滅することになった。
後悔はした。唯一、性癖を受け止めてくれた人だったから。
寂しく思うこともある。でも、今ではただの、好奇心に負けた気持ち悪い俺ぐらいにしか俺自身、思ってない。後悔なのか、俺は今でも、彼女の好きな曲で出てしまう。
ネチネチしたやつ。それが俺。
あの子との時間は良く覚えている。彼女の家に何度も行った。
彼女が崩れたのは彼女の父親が死んだ時。中学に上がる時だったか。ガンと聞いている。
その時から、彼女は俺が好きになったと言っていた。多分、寂しかったんだろう。
そして疫病神の死神に心打たれたんだろう。
風の噂で彼女は美大に行ったと聞いた。それは良かったと思う。彼女の中の壊れた部分が回復したんだろう。
彼女はもしかしたら、俺らの為に犠牲になっていたのかもしれない。
俺らがリストカットをしていたのを辞めさせるために、自ら犠牲になっていたのかもしれない。
彼女の家に行くと、音楽の話、漫画の話、色々した。
彼女も俺らのように、漫画を書いていた。俺らは小説だったが、それでも共に創作していたのは嬉しかった。
1人では無い感は心地よく、彼女から癒しをもらっていた。
付き合ったのは半年ぐらいだったが、彼女のおかげで俺らは前を向けたのだろう。本当に楽しかった。
そして、好奇心を叶えてくれてありがとう。
丞途(じょうと)