苦しかった。
何をしても、何をしても、
見て貰えない自分が苦しかった。
よしよしと頭を撫でて貰えなかったのが辛かった。
いい子いい子と言って貰えなくて、
頭を撫でて貰えなくて辛かった。
だから私は、
何でもなれるように、
何でもなれるように、
努力した。
いい子って、言われたくて、言われたくて。
いい子って、言って欲しかった。
撫でてほしかった。
一緒に居て欲しかった。
でも、
3歳の頃から、
お母さんは言わなかったけど、
私は長女で、
弟たちを引っ張っていかないといけない立場になった。
撫でられることはなくて、
失敗しても怒られることはなくて、
何をしても、
みんなより失敗しても、成功しても、
よいことをしても、悪いことをしても、
怒ることも、喜ぶこともなくて。
出来て当然。
出来なくても当然。
期待しなくなっていた。
お父さんも、家に居ても、
寝てるかパソコンしてるか。
してくれたことは、
抱き上げてくれたこと。
飛行機って遊んでくれたこと。
足くすぐられて、泣くまでくすぐられて、くすぐりを克服させてくれたこと。
お父さんは、私とスキンシップしてくれた。
お母さんは、3歳になってから、手を繋いでくれなくなった。
触ろうとすると、弾かれた。
触っちゃいけない。
怖くなった。
良く言われた言葉。
「あんたは美形だから、“かわいい”は褒め言葉じゃない。
ただの飾り言葉だ」
具体的に褒められないことは、
鵜呑みにはできない。
可愛いと言ってくる大人は、
嘘つき。
お母さんが私に触れるときは、
決まってた。
殴るとき。
お願いするとき。
だから、他の大人に甘えることにした。
お父さんは小学校3年生の時にいなくなった。
甘えられなくなった。
無意識に甘えることを抑え込んだ。
ただただ甘えたかった。
ただただ構って欲しかった。
ただただ愛されたかった。
ただただ撫でて欲しかった。
ただただ抱きしめてほしかった。
お願いとか、怒るとかじゃなくて、
ただ触って欲しかったよ。
でも、大人になってから、
大きくなったら
みんな
理由が無いとそんなことはしてくれはしない。
だから人に合わせる。
望むことをする。
望まれることをする。
愛らしくいなきゃいけない。
愛らしくいないと、
愛してくれない。