朝のフラッシュバック
朝、母親に掃除機で殴られて起床する。
『父親を起こしてこい』
そう言われて痛い体を引きずって歩く。
父親譲りらしいこの体は寝起きが悪い
ものすごく悪い。
だから、母親は掃除機で殴らないと
この体は起きてくれない。
本当は起きている。
体が動かないだけだ。
それでも、掃除機は容赦なく体に振ってくる。
父親を起こしに行く
体が痛いので揺さぶるのは難しかった。
馬乗りになって耳元で
『起きて!』
父親はこの体に容赦ない。
簡単にすっ飛ばして、
身動ぎして
『うるせぇ』
起きなかったと母親に告げる。
掃除機が飛んでくる
『言われたことも出来ないのか』
そう、この体は出来ない
出来ない子でいいから
掃除機はやめて欲しいけど
『ごめんなさい』
繰り返しても繰り返しても
掃除機は止まらない。
ヘロヘロでまた父親を起こしに行く
必死にゆさぶる
起きなきゃまた掃除機が来る。
怖いけど、起こせば終わる。
起こす。起こす。起こさなきゃ。
『うるせぇ、疲れてんだよ』
父親は痺れを切らして起きた。
良かった。起きた。
でも、待ってたのは
ギター
思いっきり振り下ろされた
ギター
アコースティックギター
ギターが飛んでくる
掃除機でヘロヘロの体は
ギターを今度は受ける
起こしても地獄
起こさなくても地獄
行き場はない。
痛くても耐えなきゃ
痛いけど
『泣いても怒っても何にもならない』
そんなフラッシュバック
3歳頃の時のフラッシュバック
ごめんなさい
ごめんなさい
ごめんなさい
存在して、
ごめんなさい。
隼人
