殺意と死にたがり

 壊れた花瓶に何を注ぐのか。言葉が怖い。人が怖い。今は保ててるこの体。いつか捨ててしまいたいと思っている。苦しいことが毎日あって、怖い事が定期的にあって、逃げられない、逃げたい。切ることはとても簡単で楽になる。でもその後の時間経過でしか治らない傷を守るのが大変で、その度にエル君が手当をしてくれるけれど、年々酷くなるリストカットに、みんな疲弊してる。

 

 感覚は麻痺してて寝る事、食べる事が苦痛で申し訳ない。羨む事が増えて、隣で気持ちよさそうに寝てるのが恨めしくてつい殺したくなる。好きな人なのに何でか衝動的に殺したくなってしまう。怖いよね、あたし。ボーダーが発病していて、どうしようもない感情が湧き起こる。朝目覚めた時に彼が起きてなかったり、居なかったらここがどこなのか、自分はここに居ていい存在じゃないように感じて飛び出してしまいそうになる。そんな気持ちをグッと堪えて彼の帰りを待つ。その間は廃人のように、何にも感じなくさせる。怖い。一人は怖い。死ぬのも怖い。なのに、彼はそのことを理解してくれはしない。

 

 あたしらは、人の死を何度も経験した事がある。葬式も何度行ったかわからない。冷たい手に触れるのは怖いこと。死は実は身近なんだとみんなに知って欲しかった。だから、エル君はストイックに自分のをコントロールして勉強をして医療にとても詳しくなった。京華ちゃんは文で何かを残そうとしている。それが何なのかわからないけれど、人格みんなの心を残そうとしてくれる。あたしは?出来ないことばかり。何にもできないあたし。本当に邪魔な存在。毎度毎度、何で産まれてきちゃったんだろうって考える。人ができることができない、発作との戦い、悪いものを引き寄せてしまう体質。良いとこなんて何にも無いじゃないか。身内が死んでも必死に生きている人は沢山いる。自死遺族。ヤングケアラーでも必死に生きている人は沢山いるじゃないか。サバイバー。左右盲。ASD。DID。全部全部、言い訳。あたしは逃げているだけだ。何が『体が動かない』だ。そんなの解離で飛ばせばいいだけ。あたしより辛い経験してる人は沢山いる。

 

 彼はあたしたちの言うことを聞いてくれない。楽になるように考えて考えているのに関係なく一人で飛ばして行こうとする。それが見ていて一番辛い。できれば、彼の辛さを肩代わりしてあげたい。でもそんな事ができないあたしは害悪です。存在自体が害悪でしかない。家事もしないのにバイトもしないのに買い物ばっかりしてさ。何が『結婚』だよ。支えてあげられないあたしはただのお荷物。悔しい。毎日が悔しい。『愛してる』なんて到底言えない。クソの極みなあたし。振り回して振り回して。最低。だから、だから、早く死なせてください。

 

 死にたい。心から死にたい。生きるのって本当に辛い。誰か殺して。あたしを刺して殺して。

 

かがり

関連するかも知れない記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です