かがりのPTSD。

 フラッシュバックは止められない。その時、その場でその行為が行われたのは確かだから。だから書く。
 京華ちゃんみたいには綺麗には書けない。でも、自分のPTSDを書き出すのは大事だと思うの。寝れない夜。することは1つ。自分の最大のPTSDを書くだけ。ノートはどれでもいい。理解を求めるなら自分を曝け出すのが一番とあたしは思う。だから書く。時系列はめちゃくちゃかもしれないけれど。それでも書く。

 

 中学の頃まだ1年生。夏、あたしは焦っていた。友達がどんどん彼氏を作っていて、SEXを終えていたから。夏休みというのもあり、あたしは自らの手でSEX相手をネットで探した。彼氏じゃなくてもいい。友達に追いつきたかった。

 引っかかった男性は40代ぐらいのおじさん。正直ガッカリした。やるならイケメンがよかった。初めてだし。でも自分から誘っておいて、はいさよならはいけないと思った。おじさんは興奮しているようだった。少し怖かったけど、みんなやっていること、大丈夫だと思い込ませてホテルに入った。

 そこからは記憶がない。でもあの挿入感、痛みは覚えている。おじさんはあたしを写真で撮った。

 「バレたくなかったら俺のところへ定期的に来い」

 脅し。怖い。

 ネット社会って言ってもばらされたら終わる世界。そこから夏休みは地獄のような毎日だった。定期的に呼ばれてSEXして。痛い思いをして。でもこの約束には夏休みのみの約束だった。

 だから秋になり、あたしは安心して学校に通った。そこから何日か後、おじさんはまた現れた。おじさんはあたしを手放したくなかったらしく、あたしの通っている学校、通学路、実家、すべて調べていた。今で言うとストーカー。

 学校の帰り道。いつもの通学路を歩いているとおじさんに出くわした。

 「ヤろう」
 「気持ちよかったでしょ」

 あの手この手でおじさんはあたしをホテルに連れて行こうとする。あたしは拒んだ。気持ちよくなんてないし、痛いだけだったし。もうSEXにはこりごりだった。腕を掴んでいこうとするおじさん。抵抗するあたし。丁度そこにパトカーが通った。もちろん警察は降りてくる。一見女子中学生をレイプしようとしてるみたいに見えるもんね。

 「どうしました?」

 男の警察官があたしとおじさんに声をかける。おじさんは多分何か言おうとした。でもそれよりも先にあたしは

 「知り合いのおじさんなんです。ね。一緒に帰ろう?」

 と演技をした。だって、これで、援交では無いにしろ知らない人とSEXをしていたと親にバレたら…。しかも誘ったのがあたしからだと知ったら?面倒なことになるでしょ?だから警察をだまして、あたしとおじさんは裏路地に入った。

 そこからどんな話をしたのか、何があったのかは知らない。忘れたのか、他の子が持っているのか、わからないけど、気付いたらあたしの実家のあたしの部屋で真っ裸で挿入直前。ゴムはなし。よく妊娠しなかったあたし。あたしの家で色々なことをされた。水責め。スパンキング。快楽責め・・・。

 気がついたときにはもう親が帰ってくる頃だった。おじさんが持ってきたたくさんの拷問グッズを慌ててしまい、もうこれで縁を切る約束をして別れた。

 (次来たら警察を呼ぶと言った気がする)

 

 これが私の最大のPTSD。ここからあたしは性依存になっていく。今もまだ性依存だ。たぶん“ヤろう”ってブサイクな人に言われても、40超えの人に言われてもついていっちゃうんだろうな。
 自分でも抑えきれないこの欲求。医者や看護師に期待はしていない。でも、知っておくことは大切なのではと思った。

 

 ちなみにあたしが本名が嫌いな理由もこの過去にある。名前を呼ばれながらヤられるのは嫌でしょう?あと、あたし、かがりって名前があるんで。本名じゃないのよ。

 たぶんみんなそれぞれ過去があってそれで名前を呼ばれるのが嫌なんじゃないかな。あたしの原点もここにあるのだけど。フラッシュバックで知ることが多いけど苦しいには違いない。薬をとは思わない。解離に効く薬はないから。でも話は聞いて欲しい。フラッシュバックの後は特に。

かがり

 

★注釈

・これは、かがりが入院中(6月2日)にノートに書き綴った内容です。

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