死の祭り

 明日の朝は何があるんだろう。

毎日毎日不安になる。

怖い事が多い世の中。明日は我が身。

毎日の不安が津波のように押し寄せては引いていく。

怖い。

そんな感情が泡のようにボコボコ湧きだって消えていく。

明日は我が身。

カッコつけてるようで本当にそうだと思う。

 葬式のあとの喪服を片付けてる時、毎度そう考える。

棺桶に入っているのは実はあたしで夢見ているだけなのかもしれない。

葬式事態、夢で明日には今日焼けてしまったあの人が元気に戻って来るのではないか?なんて考えたりする。

その代わりにあたしが棺桶に入る。

なんて妄想をする。

死にたいわけじゃない。でも、死は確実にそこにいる。

絶対に近くにはいる。どの人の近くにも近くにいる。

病気、交通事故。毎日人は死んでいく。

 夜、月にあたしは煙草を吹かす。

吹かす煙は空に散って月を汚す。空気が、澱んで病気が蔓延する。

そんな妄想、あたしはしてしまう。

夜に一人 。闇夜に一人。死にたい時もある。死ねない体を呪う時もある。

怖いのは身近な人が死ぬ時。

あたしはどんな顔して立っていればいい?

感情が死んで固まってきっとなんにもない抜け殻になるんだろう。

抜け殻にはきっと煙草の煙が入り込んでそのまま、

誰にも分からぬようにひっそりとあたしも死ぬのだろう。

 夢は現。誠は何処。本当なんてどこにもない。

でも、ひとつ分かっているのは1年1年『死』が近づいていること。

あたしを呪い殺す死がちかづいていること。

死期を感じる人から、あたしは毎度呪いを受けるんだ。

『次はお前だぞ』と。

だから、毎年、身近な人が亡くなっていく。

親戚、親族、おじいちゃん。ひっそりと『死』はあたしに近づく。

きっと死んでいった人達からの呪いがあたしを蝕むのだろう。

そしてあたしは逃れられない『死』によってある日突然死ぬのだろう。

もう、戻れない。

呪いを母親から受けた時から、あたしは死神に呪われている。

もう帰れない。

そろそろあたしの大切な人を『死』が食い殺すんだろう。

怖い。

1人は怖い。

きっとあたしはこうやって色んな人を見送ってそのうち、

ひっそり亡くなって朽ちていくんだ。

早く死にたいわけじゃない。それだけは確か。

かがり

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