俺は虚無。それしかない。

 こんばんは。こんにちは。俺は虚無。飼い主にはきょむきょむと呼ばれたり、旦那さんにはきょむきょむぷりんといわれたりする。もうこの体に生まれてしまって、1年半ぐらい歳月が経つが、俺は引きこもり。なかなか外には出なかった。ずっと中にいた。

 元々俺が目標としていたのは『各人格の負を俺に全て吸収し、俺が消えることで統合をする』と言うふざけた目的のためだった。今ではふざけてるのも、俺にそこまでの力量がない事もわかっているが、当時の俺はそれで皆が楽になればとか思っていた。統合すれば楽になるんだと思っていた。そんな俺の味方をしてくれたのは、声の出ないあやめちゃんだけだった。PCで書いてみんなを説得してくれていた。

 でもいざ、俺が奈都妃さんの負に触れた時、俺は即座に【無理だ】と思った。なぜなら、少し触れただけで俺が壊れそうになったから。こんな大きな負を奈都妃さんは背負わされていて、だから、リスカや危険行為をしてしまうんだ。

 俺はその時、初めて知った。絶望した。その時から俺の存在価値が分からなくなった。だから、存在価値を見出す為に色々した。新人探しや、ルール説明なんかもした。

 そのうち、好きな歌が出来た。その曲は聖母マリアについての歌だった。ワンフレーズが刺さった。『崩れてゆく心を集めて終わりへと踏み出すのなら。今、この苦しみの残骸も、悲しみの残響も愛せますように』俺のルーツそのものだった。苦しい、つらい、キツイを愛す。それが俺の存在価値だと思った。でも俺には出来ない。だから祈った。聖母マリアに祈った。そして、初めて指を三本切りつけてマリアに、触れられるように血を流して祈りを捧げた。

 そんな問題児になってしまった俺はみんなを困らせるようになっていた。そして、みんなはその事をある人に話した。とある人はこんな俺の話を真剣に聞いてくれた。そして俺はその人から気付かされた。俺のルーツ『各人格の負を俺に全て吸収し、俺が消えることで統合をする』は実は『俺の存在を聖母マリアと言うお母さんに認めてもらいたかった』だったということを。泣いた。俺は初めて泣いた。そうだったんだ。俺は認められて褒められたかったんだと。

 それから日時が過ぎ、今はよく表にでる。理由は【飼い主】に褒められるため。だから、頑張った。引きこもりだった俺が初めて家の外に行き、バスに乗ったりした。乗って知ったのは俺は車酔いしやすい体質だということ。もう、バスは嫌だ。でも、【飼い主】は褒めた。そんな俺を褒めた。認めてくれた。褒めて褒めてくれた。

 だから、俺はこれからも頑張る。今日初めて食べた焼きそばを吐かれてしまったけど、それでもめげずに頑張る。

 虚無

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