誕生日と因縁

 母の日に母親と会ってから少し経って5月30日。あたしらのこの体は31の誕生日を迎えた。

 誕生日はとても気が滅入る。なんせ、厨二病くさいけど、呪われた日って感覚だから。だって、この体が生まれた日。あたし達の元凶が生まれた日なんよ。凄く憂鬱になる。

 そんな朝に、いやぁなショートメッセージをもらった。

お誕生日おめでとう。
この前は会えて嬉しかった。話したかった。
いつまでもあなたの味方です。
不出来な母より。

 嫌すぎて、即消したショートメッセージはこんな感じだったと思う。

 あたしは寒気がした。あなたのせいで、こんなことになった。なんて思っちゃいけないんだろうけど、そう思ってしまっているから、どうしても、気持ち悪かった。イライラした。悲しいやら、苦しいやら、なんか気持ちがぐちゃぐちゃになって、上手く表現できなかった。でも一番は今更なんだよ。って気持ちだったかな。

, 味方って昔っから言っていたあなたはあたし達にいろんなこと、いろんなものを、押し付けて、圧迫して、押し込めて。そうして来たあなたが、今更、連絡してくんな。って言う反抗?なのかな?わかんない。イライラでもあるのかな?そんな感じだった。本当に、嫌で嫌で嫌で。どうしようもなかった。

 朝からそんな気分になるなんて、最悪でしかなかった。そんな誕生日。憂鬱から怒りに代わってストレスになるなんてねー。いやぁーね。なんて、なーんて。

 あたしからしたら、ただの他人でしかない人になんでこんな気持ちが出てくるのか、わからない。もしかしたら、過去の事、思い出して、誰がと統合とかしたのかもしれない。だから、こんな事思うのかな?わかんないよ。でも、嫌だった。嫌だったんよ。あの人とは関わりたくない。甘えてるのかな?わからない。もう気持ちがわからなかった。ただ、忘れていたかったのは確か。ろくでもない母親なんて、本当に心底、忘れていたかった。

 誕生日、嫌な気持ちだったけど、夫は祝ってくれた。ケーキをお金がないけど、作ってくれたんよ。嬉しかった。あたしらは人格ごとに誕生日とかは作ってない。てか、作れない。なんせ、いつ生まれたとか、正確な日付わからないから。何年ごろからいたとかはわかるけど、正確にいつとは言えないから。作りようがないんね。あたしらは人格として、歳を取る子達は新年に歳が増える。だから、この体の誕生日は本当に価値がない。でも、こうして、夫が祝ってくれるのは嬉しいね。ありがとう。

かがり

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